> Days > 飛行船を見てきました |
おかみがドッグランにヤムを連れて行ったとき、上空を飛行船が飛んでいったのを見たという。
札幌、とゆーか、北海道で飛行船を見たことがない。浦幌のほうとかで実験なんかしてたりするらしいが、とにかく見たことはない。
飛行船が来るなんて話は聞いてない。しかし、おかみの頭上を今日飛んでいったのだという。
おかみはwebで確認した。http://www.nissen.co.jp/hikosen/airship.htm
なるほど。通信販売のニッセンが全国縦断イベントをしているらしい。
誰に断って飛行船なんか。なんで言ってくんないんだよ。船体はドイツ籍で、海コンで大分に上陸、造船ヤードで組み立てられ、4月下旬北九州を皮切りに北上してきたらしい。そしてその旅のゴールとなる5月16〜18日には、札幌に加え、石狩の文字がある。
なるほど、係留地は仮設らしい。そして、まとまったスペースといえば、石狩湾新港にはふんだんに存在している。なるほど、石狩湾新港に係留か、と、確信に近い憶測をたてる。
首都圏で上空を飛んでいる飛行船なら何度か見たことはあるが、係留地で間近で見たことはない。ニッセンのサイトで紹介されているスペックによると、60m級とのこと。そこそこでかい。うーむ、ぜひ見たい。が、その晩は既にしこたま飲んでしまっていたので、翌朝探しに行ってみることにした。
本日は旭川の旭山動物園に新築落成あいなったシロクマ舎を見に行く予定。
でも行く前に係留地を確認せねば気が済まない。石狩湾新港といっても広い。でも真っ先にイメージしたのはラジコン愛好者たちが集う樽川埠頭近くの空き地。
とりあえず銭函側から順につぶして行くことにする。東洋水産工場方面から攻めてみる。
いない。
そして本命の樽川埠頭近くのラジコンエリア。
いましたいました。結局探し始めから10分足らずで見つけることができました。なあるほどこりゃ「仮設」です。草っぱらに福岡ナンバーのマストカー。敷地の片隅に数台の4tのレンタカーとテント1張。スタッフの姿はあまりなく、確認できるのはゴンドラに乗って監視&操作しているナイトウオッチ(午前9時を過ぎてるからナイトウォッチというのはいかがか)の人2人くらい。
飛行船の係留は、マストカーで機首だけひっかけて、あとはフリーで風任せで360度回れる状態にしておくらしい。ゴンドラの下には車輪が1つだけついている。
船長やグランドスタッフなどの姿も見あたらず、どうやら今日はまだまだ飛びそうにない。10時をまわるまで見ていたけれど出発の動きはなく、ただ風任せでフワフワ回っているだけ。
そういうわけでこの日はこれでおしまい。明日もあるし。
いましたいました
ななめうしろから
ぼんずは「ひこーーき」という
おしり
登録とスタッフはドイツ
1ヶ月の全国縦断の旅を締めくくる最終日。きょうはサッポロファクトリーでチャリティーイベントもあるらしい。
この日のフライトが終わった後は、回送で飛んで帰るわけではなく、どうやら新港の係留地で分解してコンテナに収められてトレーラーで帰るらしい。
朝から青空。最終日にふさわしい天気、かと思いきや、ニッセンの携帯サイトのフライト情報によると「悪天候のため運航を見合わせています」とのこと。ああ、なるほど、風が強いんだ。そうか、飛行船って強風に弱いのだなあ。
係留地に行ってみると、高々とお尻を上げて風に漂っている飛行船の姿が目に飛び込んできた。
風でわずかながら推力がついて、それが揚力になっているのか、それともこういう日は危険回避のためおもりを減らしてわざと浮き上がっているのか・・・
1ヶ月の日本縦断、しかもクルーはほとんどドイツ人。最後の最後で、空は真っ青なのに飛べないというはがゆさ、悔しさは察するに余る・・・
強風に煽られている
マストカー
こんなに浮き上がっちゃって買い物その他で市内各所巡り。
発寒のトイザらスでおかみ一人で粘土を買いに行っているのを父子2人で屋上駐車場で待っていると、ぼんずが「ひこーーき」という。え?と思って見ると、あ、飛んでる!
午後3時過ぎ。風の合間を見て最後の最後で根性で飛んだらしい。
北区新川から都心方向
JR札幌駅北口から札幌都心方向へ行って飛んでるところを見たけれど、いくぶん弱まったとはいえまだ風は強く、なんか横向きに飛んでいる。けっこう苦労してそう。
帰っては来たけれど
写真撮影のみなさん
ぼんずとマストカー夜はマクドで晩飯を買い込んで係留地で着陸を待つ(笑
午後6時でファクトリーでのイベントは終わり。午後8時前には暗くなる。
午後7時くらいには帰ってくるのだろうと、待つ。帰ってきました。昼間ほどではないけれどまだ風はある。
風を見ているのか、飛行船は3〜4回ほど旋回し、ランディングのイメージを描いている。
進入1
進入2
進入3
進入4
進入5
進入6
進入7動画(AVI)
4.1MB飛行船は基本的に、何もしないと上がりもせず下がりもしない均衡状態で浮いているもので、 上昇するためには上へ向けてエンジンの推力で上へ押し上げ、降下するためには下向きにエンジンの推力で下がる。
だから、着陸の時は、下向きにつっこんでくる。飛行機の場合は低速度でなるべく揚力を得ながら降りようとするので 機首は若干上向きになっておりてくるのと比べると対照的、というか、慣れないと恐怖感すら覚える。
グランドスタッフは風向きを隊列で表示しつつ、降りてきた(突っ込んできた?)飛行船の船首から垂れているワイヤを捕捉し、 最後はエンジンにリバースをかけて静止する(これは飛行機と同じ)。
その後はグランドスタッフが人力で飛行船を押してタキシングする。60m級の巨体とはいえ、総重量は5t程度。 おまけに接地抵抗はほとんどない状態なので、意外とあっさり移動する。ハタから見た印象としては、グランドスタッフ総出で「受け止める」という感じ。
飛行船の運航コストのほとんどは人件費だというが、なるほど納得できる。はるばるドイツからやってきたスタッフも、一大イベントを仕掛けたニッセンの関係者も、この着陸は感慨ひとしおだとうというのが黙っていても伝わってくる。無事行程を終えられた関係各位に拍手を送りたい。
このあと飛行船は、日が暮れた後も手早く分解され、コンテナに収められてドイツへと帰っていった。