> Days > 2004年1月道東豪雪 |
2004年1月13日夜から16日朝にかけ全道的に暴風雪となり、特にオホーツク海側の網走支庁では記録的な大雪となった。北見市では積雪深171cmを記録し、150年に一度という観測以来最大の積雪を記録(従来の記録は117cm)。
北見などはもともと「雪かき」などほとんど必要ないほど雪の少ない(そのかわりマイナス20℃30℃はあたりまえというほど気温は低い)地域。北見の人が「札幌は雪かきがあるから大変だよねー」なんていってたのを思い出したりする。
幹線道路から鋭意除雪をすすめたものの、重機も不足しており、おまけに雪を持って行く先がない中、市町村の除雪予算は軒並み底をつき、首長専決で基金を取り崩したり、役場に頼れないと判断した町内会でローンを組んでまで重機を手配したりするところもあったが焼け石に水。生活道路の排雪については断念したところも少なくない。
交通網の状況 1月30日現在 鉄道 JR、ちほく高原鉄道あわせて延べ約2,000本運休 航空 664便欠航 フェリー 24便欠航 高速道 3路線6区間354km通行止 国道 20路線37区間842km通行止 道道 142路線172区間2,004km通行止
国道238号 湧別町 |
国道238号 湧別町 |
国道238号 湧別町 |
国道240号 釧北峠 |
国道243号 美幌峠 |
国道39号 北見市 |
国道39号 北見市 |
国道39号 北見市 |
1月13〜14日釧路出張記 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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今回の道東豪雪の前日から釧路へ出張に行ってました。天候不順による交通障害の体験としてはたいしたことではないですが、それなりにヤラれましたのでいちおう記録を。 13日は朝一のスーパーおおぞらで釧路へ向かい、釧路駅に着くと雨。タクシーで釧路プリンスへ向かい、出張の第一目的である河川再生関係の座談会をやっつけて夕方駅前の東急インに。 夜、上司たちと食事に出る話になっていて午後6時にロビーで待ち合わせするが外はものすごい土砂降り。とても外に出ようという気には誰もなれなかったので東急インの上の階のレストランですませて終了。 翌朝外を見ると水っぽい雪が強風でビルの側壁に吹き付けられて寒々しい感じ。でも雪の量はたいしたことない。朝9時、東急インから歩いて数分のトヨタレンタリース営業所までじゃくじゃくの道を巧みなライン取りで向かう。レンタカーを使い、釧路湿原方面に座談会記事掲載時にちょっと使える釧路市街と湿原界隈の写真を簡単に撮って回り、13時25分発のスーパーおおぞら8号で札幌へ帰ることになっていた。 まずは幣舞あたりを適当に撮り、湿原の東側からまわり細岡展望台なんかいってみたりするけれど軽い吹雪で湿原見えず。 続いて国道391号を北上、標茶から国道274号で鶴居へ抜け、反時計回りに湿原を回って釧路駅へ向かうつもりだった。五十石あたりから標茶に近づくにつれ吹雪は激しくなり、かなりの視界不良。たまに車高の低い乗用車(カルディナ)なんか運転してるもんだからどこ走ってるんだかさっぱりわからず「うひー」な状態。標茶市街地を抜け、274号に入ると・・・ガーン、吹雪のため通行止め。鶴居に抜けられない。しょうがないので来た道(国道391号)を釧路へ引き返す。釧路に近づくにつれ視界良好。北のほうほど吹雪がひどいらしい。そういえば391も弟子屈を抜け、オホーツク海側へ出る野上峠が通行止めと表示板に出ていた。 釧路公立大学に寄ってK先生にご挨拶し、お昼ころ釧路駅に着き、レンタカーを返却。駅ビルの中で適当に昼メシにして列車に乗ろう、といって駅に入ったら、折り返し我々の乗るスーパーおおぞら8号となる予定で札幌から釧路へ向かっているスーパーおおぞら3号が45分遅れだという。 日高山脈の東麓の新得〜広内間には、山脈から強い風が吹き下ろしてくる風の通り道があって、数十年前には特急が転覆したこともあった難所がある。そこで徐行運転もしくは風待ちをしてダイヤが乱れているのかと思った。帯広もたくさん降ったといってるし。まあ、しゃあないわなととりあえずそば屋に入ってそばを喰う。そば屋は激混みで店員はかなり慌ただしい模様。隣の客は阿寒から戻ってきたらしい。携帯で「阿寒で雪崩があって車が埋まったという報道があるけれど自分は巻き込まれていないから」的なことを話していた。ふーむ阿寒のほうもひどいことになってるのか。湿原を一回りしなくてよかったらしい。 そば屋はスーパーおおぞらが発着する1番ホームに面しているので、3号が着いたらわかる。3号の到着予定時刻13時04分を過ぎたが、当然だがこない。そば屋の外のスピーカーでなにやら構内放送で状況を説明しているがいまいち聞きとりにくい。すると、すかさず入口前のレジにいた店員が「おおぞら3号1時間遅れー!」と威勢のいい声で簡潔明瞭に情報中継。周囲の店員も「1時間遅れ了解〜ッ!!」と呼応。店員間の業務連絡に客へのサービスも兼ねてるのかもしれないけど、聞き取れない情報がわかってありがたい。続けてレジ店員が「はい!昼休みなーし!!」、他の店員が「休みなし了解〜ッ!!」。そば屋さんありがとう。 釧路駅の改札前はそんなに広くないけれど、ごった返しているというほどでもない。食べ終わってそば屋を出て、改札前で待つ。途中何度か放送があり、1時間が1時間5分に、1時間10分にと遅れが伸びてくるが、1時間15分から先は伸びない。午後2時をまわったころ、「スーパーおおぞら3号はただいま大楽毛駅を通過しました」とのアナウンス。とりあえず釧路市内に入ってきたらしい。改札がはじまり、ホームへ出る。定刻を1時間11分遅れて、14時15分、スーパーおおぞら3号が到着。続々とおりてくる札幌方面からの乗客は少し疲れた様子。お疲れさん、なんて気持ちで見守っていた。あとで我々がその5倍疲れるとはこの時点では想像していなかった。 定刻なら21分ある車内清掃時間を超速5分で切り上げて、我らがスーパーおおぞら8号は定刻の55分遅れで慌ただしく釧路駅を出発した。1両あたり900馬力近いエンジンを轟かせて、時速130kmいっぱいで疾走する。帯広には48分遅れの14時20分。気合いの走りで7分を稼いだ。なかなか凄い。帯広は窓から見た限りでは、特に大雪でタイヘン、というほどでもなかった。この勢いでどんどん進み、夕闇迫り来る日高山脈にかかる。新得を過ぎたところでエンジンブレーキ併用の急制動。例の風の通り道である。広内信号所までの数kmの区間、時速45km制限で慎重に進む。警戒区間を抜け、ふたたびエンジンパワーにものいわせて疾走。 16時49分占冠を通過、鬼峠トンネルに入る。すっかり暗くなったニニウ界隈の山中も矢のごとしの速度で車体を大きく揺らしながら駆け抜ける。楓を通過し、第4紅葉山トンネルに入る。第3、第2と3つ連なるこのトンネルを抜ければ新夕張。ところがトンネル内で信号が黄色のようで急制動。警戒速度でのろのろとトンネルを抜け、第2トンネルを出て新夕張駅のすぐ手前の夕張川橋梁の上で、17時11分、完全に停車してしまった。「停止信号です。しばらくお待ちください」とだけアナウンス。 状況がわからず、橋の上で止まってしまい落ち着かない。 17時26分、「南千歳駅手前でポイント故障のため、列車が詰まっており、先へ進めません」とのアナウンス。 17時29分、列車は少しだけ動き、新夕張駅のホームにつけた。ドアは開かない。 17時34分、「南千歳駅に入る手前のポイントが故障しており、列車が詰まっております。南千歳駅のすぐ手前にスーパーとかち6号、続いて、スーパーおおぞら6号、とかち8号と、この列車の前に先行の列車が3本います。この列車は4番目になります」と状況説明。 17時43分、とりあえず川端駅まで向かうことになり新夕張を発車。 18時、川端に到着。 18時16分に状況説明放送。「南千歳駅に入れないのは石勝線から合流する4列車だけでなく、室蘭函館方面から来る列車(スーパー北斗など)もあります。列車は完全に止まっているわけではなく、1台ずつなんとか切り抜けさせていますので、時間はかかりますが少しずつ進みます」とのこと。 18時33分、車掌が各車両をまわって肉声で「道央道(高速)も止まっていますし、一般道もかなり渋滞しているようです。列車の運転状況に進展のめどはたっていませんが、札幌方面へ向かわれる方はこの列車で行くのがいちばん早いとおもいますのでどうかご辛抱ください」と頭を下げながら説明して歩く。 18時51分、スーパーとかち6号が南千歳を抜けたとアナウンス。 19時14分、スーパーおおぞら6号も南千歳を抜けたとのアナウンス。 19時22分、とりあえず追分まで進むことになり川端を発車。 19時34分、追分手前で停車。こんどは追分駅のポイントが壊れたとのこと。 19時40分、なんとか追分駅に入線。すぐさま駒里信号所まで進むことになり発車。 19時50分、駒里信号所に停車。 20時25分アナウンス。 「北広島から先の全ての駅に列車がつまっています。先行しているスーパーおおぞら6号もまだ北広島に達していない状況です」 20時40分、南千歳に入れるめどがつき、進行。 20時44分、南千歳駅入線。定刻から3時間53分遅れ。 20時52分、とりあえず千歳まで行くことになり南千歳発車。 サッポロビール庭園、島松、北広島、新札幌と随時詰めて行く 21時53分、上野幌駅通過。札幌市に入る。 21時56分、新札幌駅到着。4時間47分遅れ。 22時09分、苗穂通過。 22時15分、先行していたスーパーおおぞら6号が札幌駅で折り返し仕向できたらしく釧路へ向かっていったのが見える。何時に釧路に着くのやら・・・乗客はまばら。 22時20分、「札幌駅に入るまでもう2つ信号がございますが、1つ前で普通列車が入線待ちしております。この列車はその次の入線となります。ここまで来てたいへん申し訳ありませんがもうしばらくお待ちください」 22時26分、「お待たせしました。札幌駅手前の“最後の信号”まで運転いたします」 22時28分、 5時間11分遅れで札幌駅に到着。 列車は折り返し仕向けのため車内清掃を迅速にすませ、交代の乗務員たちがのりこんでいった。釧路到着はおそらく午前3時頃か・・・ごくろうさまです。 我らがスーパーおおぞら8号は5時間11分遅れだったけれど、先行していたスーパーおおぞら6号などは7〜8時間の遅れの模様。翌日は運休が続発したようで、もし釧路でもう一泊宿をとっていたら翌日は帰ってこれなかったかも。まあ、列車ホテルにならなくて当日のうちに到着できただけでも幸いなんでしょうけど。 最後にオチが。今回の出張はホテルとパックの企画きっぷを使いました。精算所の特急料金払戻の列に並びましたが、傍らで「お時間のない方はこちらで特急券にスタンプを押しますのでこれでむこう1年以内であれば後日払戻ができます」と叫んでいたけれど、お時間はあるので律儀に数十分並びました。いざ自分の番がきたら、「これは企画きっぷなのでここでは払い戻しできない。買った場所で払戻を受けてください」とスタンプを押される。結局並んだのは時間の無駄でした。 企画きっぷの販売窓口はもう当日の営業は終了しているので、必然的に後日の払戻となる。で、後日払戻に行ったら、担当者は「駅の精算窓口で払戻を受けてください」とつれない返事。駅の窓口じゃできないっていうからここへ来てるんだと説明すると、奥へ入っていって十数分待たされた後、「企画きっぷは割引があるので払戻はこれだけになりますから」と、明細も説明もなく満額の半分強の金を渡された。まあ割引きっぷなのででかいツラはできないですけど、なぜその金額になるかはわからないまま、いわれるがままに渡された金額の金を返してもらってきました。いちおう再販ではなくJR自身の企画きっぷではあるんですけど、そのへんの精算の流れがなんだかグレーだなあと思いながらも、結局それ以上何もいえず。 小学校に入るか入らないかくらいのころにもっとひどいめにあった記憶がありますが、所要時間の倍以上要した経験はずいぶんひさしぶりのことではありました。 |
折り返して8号となる3号の遅れを知らせる釧路駅改札の掲示板 1時間10分遅れで3号が釧路駅に到着 5時間11分遅れで札幌駅に到着 札幌駅東改札前精算所の払い戻しの列 後日払い戻しを受けるためのスタンプ 北見ほどではないけれどそれなりに出すのに苦労した愛車 札幌駅北口近くの駐車場から道路に出したところ |